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歩合率・給与制度・賞与・給与保証の条件は会社、営業所、勤務形態などによって異なります。この記事の数字は計算方法を説明するための仮定です。応募時は募集要項・労働条件通知書で最新条件を確認してください。
タクシーの歩合給は、売上に応じて計算される給与です。ただし、売上×歩合率だけで総支給額や手取り額が決まるわけではありません。
僕は41歳で未経験からタクシードライバーに転職しました。歩合率が高く見えても、計算対象となる売上、固定給、基準営収・足切り、賞与の条件が異なれば、支給額は変わります。
この記事は歩合給の計算方法に絞って解説します。求人の歩合率を会社ごとに比較したい場合はタクシー歩合率の比較記事をご覧ください。
タクシー歩合給の基本的な計算式
基本の考え方は「歩合計算の対象となる売上×適用歩合率」です。売上が税込か税抜か、手数料等を差し引くか、固定給を含む歩率かどうかは会社の給与規程で確認する必要があります。
単純計算の例
歩合対象売上50万円、歩合率55%と仮定した場合、50万円×55%=27万5,000円です。
これは計算上の歩合額であって、総支給額や手取り額を示しません。手当、固定給、賞与配分、基準営収などの条件により変わります。
給与体系のA型・B型・AB型は何が違う?
A型・B型・AB型はタクシーの給与の構成を説明するときに使われる分類です。全国共通の計算式が法令で決められた名称ではありません。同じ呼び方でも支給方法は会社によって異なります。
| 給与体系 | 一般的なイメージ | 確認する点 |
|---|---|---|
| A型 | 固定給を中心に歩合・賞与を組み合わせる | 固定給の額、歩合や賞与の条件 |
| B型 | 歩合給を中心に支給額を計算する | 歩合の計算対象、保障給、割増賃金 |
| AB型 | 固定給、歩合給、賞与等を組み合わせる | 月例給与と賞与の内訳・支給条件 |
どの体系が収入面で有利かは、実際の給与条件や営業状況によって異なります。
歩合給の計算方法【3つの例】
例1:売上に歩合率をかける場合
歩合対象売上60万円、歩合率60%と仮定すると、60万円×60%=36万円です。これは歩合額を求める単純計算です。深夜・時間外の割増賃金など、総支給額を決める条件は別途確認します。
例2:固定給と歩合給を別に支給する場合
固定給15万円に別途計算した歩合給5万円を加えるなら、計算上の合計は20万円です。歩合率に固定給を含めて示している求人では、固定給を二重に足してはいけません。
例3:賞与相当分を区分する場合
歩合対象売上60万円に対し、月例給与の計算枠50%、賞与の計算枠13%と仮定します。月例給与の計算枠は30万円、賞与の計算枠は7万8,000円です。
賞与相当分が必ず戻るわけではありません。この例は配分の考え方を説明するための仮定です。実際の賞与額、支給時期、在籍条件、業績条件などは会社の給与規程を確認してください。
タクシーの足切り・基準営収はどう計算する?
足切りや基準営収は、給与計算で用いる売上の基準を指すことがあります。ただし、「基準を超えた部分にだけ歩合率を掛ける」と一律には説明できません。会社や制度ごとに、売上全体への適用、率の変化など取扱いが異なります。
2種類の仮定で比べる【新しい説明図】
次の図は歩合対象売上60万円、率50%を仮定した計算例です。特定の会社の給与制度を示すものではありません。
仮定A|売上全体に適用
60万円×50%
計算額30万円
仮定B|40万円の超過分に適用
(60万円-40万円)×50%
計算額10万円
※上記は計算対象の違いを説明するための仮定です。仮定Bの基準額までに対応する固定給等、割増賃金や法令上の保障給は含みません。実際の総支給額や手取り額を比較する図ではありません。
自分が応募する会社では、基準営収の前後でどの売上に何%が適用されるのかを確認してください。
歩合給でも保障給・最低賃金が適用される
労働基準法第27条は、対象となる出来高払制等の労働者について、労働時間に応じた一定額の賃金保障を定めています。売上が少ないからといって、当然に賃金がゼロになるわけではありません。厚生労働省の歩合給制の説明をご確認ください。
タクシー運転者の歩合給については、厚生労働省の通達により、固定的給与と合わせて通常の賃金の6割以上が保障されるように定める取扱いが示されています。売上の6割が給与になるという意味ではありません。厚生労働省の通達をご確認ください。
出来高払制の賃金も対象となる労働時間で時間額に換算し、最低賃金との比較が必要です。最低賃金の確認方法をご覧ください。
混同しやすい制度
- 労働基準法上の保障給:対象労働者の賃金を保障する制度
- 最低賃金:法令による賃金の下限
- 採用時の給与保証:会社が設ける金額・期間・適用条件
入社時の保証条件はタクシーの保証給の記事でも解説しています。
総支給額と手取り額が違う理由
歩合給を含む総支給額から、社会保険料、所得税、住民税などが控除されて手取り額が決まります。固定給・賞与の扱いだけでなく、扶養状況、住民税などでも結果は変わります。
「手取りは額面の8割」と一律に見積もることはできません。また雇用保険料率は年度ごとに変わります。令和8(2026)年度の一般の事業における労働者負担は0.5%です。厚生労働省の年度別保険料率をご確認ください。
収入全体を考える場合はタクシー運転手の年収、月ごとの変動についてはタクシー月収の記事を参考にしてください。
累進歩合は行政が廃止を求める制度
売上の段階が上がると歩合率が高くなる累進歩合制度は、長時間労働やスピード違反を誘発するおそれがあるため、厚生労働省の通達で廃止すべき制度とされています。自動車運転者の賃金制度に関する通達をご確認ください。
転職前に確認したい5つの条件
- 計算対象の売上:税込・税抜、手数料等の扱い
- 歩合率と足切り:計算式・基準営収の適用条件
- 固定給・手当:歩合とは別に支給される部分
- 賞与:算定方法、支給時期、在籍等の条件
- 給与保証:期間・金額・対象者・終了後の計算方法
僕が未経験者の会社選びで確認したいのは、歩合率が高いかだけでなく、売上が伸びない月の給与条件です。営業環境も含めた比較はタクシー会社の選び方で紹介しています。
まとめ|歩合給は計算条件まで確認する
タクシーの給与を比較するときは、歩合率・計算対象となる売上・足切り・固定給・賞与・保障給を一緒に確認してください。給与の総支給額も手取り額も、単純な売上×歩合率だけでは決まりません。
会社ごとの歩合率の具体例はタクシー歩合率の比較記事にまとめています。
タクシー歩合給のよくある質問
Q. 売上50万円で歩合率55%なら給料は27万5,000円ですか?
計算上の歩合額は27万5,000円ですが、総支給額・手取り額とは限りません。会社の算定条件を確認してください。
Q. AB型の賞与相当分は必ず支給されますか?
支給額や時期、条件は会社ごとに異なります。給与規程を確認してください。
Q. 足切りは超過部分にだけ歩合がかかる制度ですか?
一律ではありません。計算対象の売上と率の適用条件が会社によって異なります。
Q. 完全歩合なら売上が少ない月の給料はゼロですか?
対象となる歩合給制の労働者には保障給や最低賃金のルールがあります。雇用条件と実際の労働時間で確認してください。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の収入・採用・法的結果を保証しません。実際の条件は会社の募集要項と労働条件通知書をご確認ください。


